韓国 慶州 観光地で人気がある 慶州チェ氏古宅 

慶州校洞に位置する「チェ氏古宅」は、朝鮮時代の両班（ヤンバン）の伝統的な家屋の原型を完全に保存している歴史的価値の高い建築物です。文化財としての価値が認められ、韓国・慶州の観光名所として多くの人々に親しまれています。

慶州 チェ氏古宅の歴史と背景

チェ氏古宅は、かつて99間を誇る壮大な屋敷でした。庭園は約6,600㎡、後庭は約33,000㎡にも達したと伝えられていますが、現在は「定木奥」「大文彩」「祠堂」のみが残されています。70年前の火災で一部が失われましたが、最近になって渡り廊下が復元されました。

もともとは、新羅時代の元暁大師と情を交わし、薛聡（ソルチョン）を生んだ瑤石王女が暮らしていた「要石王宮」の跡地であったと言われています。崔氏一族がこの地に定住したのは朝鮮中期ごろで、約300年間にわたり富裕な家系として繁栄しました。

“施す生活” を実践した崔氏一家

崔氏家門は「財産は一箇所に集めると腐るが、分け与えれば豊かになる」という理念のもと、「施す生活」を大切にしてきました。

家門の精神として掲げられていたのは、

「偏らず、急がず、欲張らない」

「万物に完璧な価値はなく、正義を貫いて生きる」

この哲学は、現代社会においても多くの示唆を与えています。

チェ氏古宅に足を踏み入れると、「あたり100里の中には飢え死にする人がいないようにしなさい」という家訓を肌で感じることができます。

ドラマ『名家』による注目度の向上

かつて慶州では、「金持ちの崔さん」を知らない人はいないと言われるほど、崔氏一家は広く認知されていました。2009年、KBS1TVの特別企画歴史ドラマ『名家』が放映され、庶民に施しを行った「まともな金持ち」として、崔氏一家の精神が再び脚光を浴びました。貧富の格差が広がる現代において、共存の哲学を示したこのドラマをきっかけに、さらに多くの観光客が訪れるようになりました。

崔氏家門の伝統 – 校洞法酒と韓国伝統料理

チェ氏一家が生み出した「校洞法酒（キョドンポプジュ）」は、韓国の重要無形文化財に指定されています。また、チェ氏古宅のすぐ隣には、家門の伝統的な味を再現した韓国伝統料理の食堂『瑤石宮（ヨソックン）』があり、訪問者に人気です。

基本情報

住所：慶尚北道 慶州市 校洞69

問い合わせ：054-742-2524

利用時間：

4月～9月：09:00～18:00

10月～3月：09:00～17:00

入場料：無料

まとめ

韓国・慶州にある「チェ氏古宅」は、朝鮮時代の歴史と文化を感じられる貴重な観光スポットです。ドラマ『名家』の影響もあり、崔氏家門の哲学に共感する訪問者が増加しています。慶州を訪れる際には、ぜひチェ氏古宅とその周辺の文化を体験してみてください。